製造中止となった新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に代わって、新型イージス艦の製造が噂されていますが、
元々、イージス艦に問題点があったから提案された「イージス・アショア」設置案なので、どうしても疑問が残ります。
そこで今回は、新型イージス代替艦には問題点やメリットなどをまとめてご紹介していきます!
イージスアショア代替艦の問題点とは?
まず、イージスアショアの問題点をまとめると、大きく以下の3つが挙がります。
- 人員不足・自衛隊の負担が変わらない
- イージス・アショアより建造費が巨額
- 「SPY7」の技術的課題
この3つについて、一つ一つ簡単にご紹介していきます!

代替艦の問題点①人員不足・自衛隊の負担が変わらない
導入中止となったイージス・アショアは元々、イージス艦の乗員・海上自衛隊の負担を減らすことを大きく視野に入れた計画でした。
イージス・アショアを2基設置することで、巡回する艦隊の数を減らし、24時間の交代制で負担の少ない防衛システムを実現するつもりが、新たに艦隊が増えるとどうなるでしょうか?
従来の艦隊より広範囲に探知できるし、現艦隊の数も減らせるかもしれませんが、船のメンテナンスは欠かせないうえに乗員の海上生活への疲労も取り除くことはできません。
居住空間を拡大する見通しがあるようですが、イージス・アショアと比べるとやはり見劣りしてしまいますよね・・。
代替艦の問題点②イージス・アショアより建造費が巨額

イージス・アショア1基と新型イージス艦1隻の建造費を比較すると、実はイージス艦の方が高額になるのです!
中止されたイージス・アショアの建造には約4500億円もの費用が見込まれていましたが、単に1基あたりにかかる費用は約1340億円となります。それに対して、イージス艦「まや」型(現時点での最新型)は約1680億円になるのです!
また、イージスアショアの代替艦には最新レーダーの他、船体を従来より大きく造るためより高額になると考えられます。
更に建造費以外でも、イージス・アショア2基とイージス艦2隻の30年間当たりの総経費を比較すると、イージス艦の方が約1500億円ほど維持費が高いという結果も・・・。
製造費のみでも長期的に見てもイージス艦の方がより高額になるため、費用面においてイージス・アショアに完敗しています。
なお、二つの費用面に関してはこちらで詳しく解説してあるので、気になる方は是非ご覧ください!
代替艦の問題点③「SPY7」の技術的課題

「SPY7」を一言で表すと、弾道ミサイル探知レーザーのことで、米海軍でもまだ採用実績がない最新型のものを指します。
問題は生みの親である”米海軍でもまだ採用実績がない”点です。
2020年時点でイージス・アショアに搭載されている「SPY6」よりも探知範囲が広域でより高度とされていますが、不安はどうしても残ります。
また、「SPY7」も元々はイージス・アショアに搭載予定だったため、陸地と海上では勝手が違うのではないか?と議論されましたが、防衛省は次のように答弁しました。
「SPY7はもともと洋上使用も前提とされており、改めて洋上(転用時の)再評価は必要ない」
以上、このように「SPY7」搭載には不安要素がいくつかあるのです。

代替艦にメリットはある?
これまでイージス代替艦の問題点、デメリットについて触れてきましたが、逆にメリットはどのようなものが挙げられるのでしょうか?
それはイージス・アショアの弱点である基本的に”固定砲台”である点が無くなることが挙げられます。
↑のように、2基で日本国土をほぼ全域カバーできるイージス・アショア(SPY7)の探知能力ですが、位置が丸わかりでここを攻撃されたら一発で機能しなくなります。ですが、前述した「SPY7」をイージス代替艦に搭載すれば、同範囲を隠れて監視できてしまうのです!
実際、イージス・アショアが実質”固定砲台”であることに不満の声もあったようです。
・陸上だの浮体だの、下らない「動かぬ標的」路線のイージス配備を諦めたのは、防衛関係では今年一番いいニュースだろう。引用元:YAHOO!ニュース
【まとめ】イージスアショア代替艦の問題点とは?
今回は「イージスアショア代替艦の問題点とは?メリットなど簡単に解説!」というテーマでご紹介させて頂きました。
新型イージス代替艦に関しては、すでに具体的な方針があるようなのでほぼ確実に施行されるでしょうが、実際問題どうなんでしょうか・・。疑問が残ります。
代替の元であるイージス・アショアに関しては、以下に詳しく解説してあるので気になる方はチェックしてみてください!
>イージス・アショアとは何か簡単に解説!メリットやデメリットも
最後までお読みいただきありがとうございました!